ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「何、すんのよ!」。

奈月のパンチが杉山の顔を直撃した。

「いてぇ〜。」。

奈月は、頬をおさえる杉山から視線を外して、

「充が悪いんだからね!女の子の髪の毛を…。」。

口を尖らしたが、再び杉山に視線を戻した時に言葉を失った。

杉山から涙が零れていたのだ。
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