ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「…そ、そんなに力入れてないよ…。たぶん…。」。

トーンダウンする奈月に視線を合わせずに杉山は、

「急がないと、予選に…。なのに、なんなのさ。関節の動きが悪いばかりか、握力までないなんてさ…。」と、呟いた。

「でも、夕べ言ったよね。」。

「ああ、やるよ。感覚でわかっていた事を思ってもいない数字で叩きつけられただけ…。でも、掴むさ…。」。
< 258 / 565 >

この作品をシェア

pagetop