ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
奈月は、慌てて携帯を出し電源を入れた。

病室内、使用禁止なんて頭にはなく、駒野の電話番号をコールする。

病院内だったら、留守電のままだが…。

呼び出し音が、奈月の耳に届いた。


「なつ、どうしたの?」。

やがて聞こえた駒野の声に、奈月は畳み掛けるように言った。

「知恵!大丈夫?なんにもない?いっつも、知恵が玄関を出ていくタイミングを過ぎても、姿が見えなかったから…。」。
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