ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「退院か…。祝ってあげないといけないのに…私…。」。

病室に戻った奈月は、ベッドの中に潜り込んだ。


「どうしたの?元気ないね?」。

検温の時間に前田に問われた。

「別に…。いつもと一緒で…す…。」。

奈月は、視線を合わさずに体温計を返した。

「…整形の…充君だっけ?喧嘩でもした?」。

「関係ないです。」。
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