ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
落ち込んだ杉山を、
前田は見下ろしながら、
ため息を一つはいた。


「明日、奈月ちゃんの散歩ルートにいな。奈月ちゃんには話だけでも聞くように頼んでおくから。でないと、手術の時、麻酔からさめる事を拒否しそうな雰囲気だし。」

「お願い…します…。」

「了解。」

そう言ってナースステーションへ戻る藤崎の手には妖しい光を放つカミソリがあった。
< 39 / 565 >

この作品をシェア

pagetop