゚。+空の向こうに消えた+。゚

「びょーき?」


「うん、そうよ。病気だったの、奈々は。」


「治るの??」


風邪かなんかだと思っている幼い娘は無邪気に聞いた


「それが治るのは難しいの……。」


それを聞いて黙りこんでしまった


「奈々子もこの間麻疹の予防注射受けたでしょ?」


“注射”


その言葉にピクッと反応した


「うん!あの痛―いお注射!!」


涙声で首をふるふる振りながら言う


「奈々は奈々子と同じくらいの時にその麻疹にかかっちゃったのよ。」


こくんこくんうなずきながらあたしの話を静かに聞く


「そのときの悪いばい菌さんが体の中にまだ残っててね、
そのまま見つからないようにスヤスヤと眠ってしまったの。
そして大きくなった頃に眠り続けていたばい菌さんが目を覚まして、
体の中で暴れ始めちゃったの……」


なるべく分かりやすいように例えを使って説明をした


でもやっぱりよく分かってはいないようだった


まだ早かったかな?


でもいずれ分かる時が来るはず……



今はただ聞いていて……


奈々子……
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