゚。+空の向こうに消えた+。゚
「奈々・・・・・?」

「はーい?」

あたしはまた病室に戻った


「断ってきたよ。」

あたしがそう言うと奈々は目を見開いてあたしを見た

「いいの?」

「いいの。」

「ごめんね・・・・・。」

「なんで謝るの??謝るのはあたしの方。病気のこと、気づいてあげられなくてごめんね。」

奈々はあたしの言葉に驚いた

でもすぐ目をそらして小さな声で言った

「聞いたんだ……。」

「奈々のお母さんが教えてくれたの。」

「そっか・・・・・・・お母さんが・・・・・。
奈々ね、自分なんて本当いらない人間だって思ってて、いつ死んでもいいとか思ってたの。
でも・・・・・・・今は死にたくない。」

今にも泣きそうな顔をしていた

こんな奈々を初めて見た

気がついたらあたしはまた奈々を抱きしめてた


「信じよう?助かるって、治るって信じようよ。
大丈夫だよ、絶対治る!!
治るに決まっ・・・・・・・」

あたしも泣いてしまっていた



2人して泣いた


それしか気持ちを表現することができない人のように

まるで子供に戻ったように

ただひたすら泣き続けた



なんで奈々なんだろう??


だからって他の誰かでも良いわけじゃないけど



いずれ人は命尽きてしまうけれど


こんなのないよ



奈々の未来を奪うなんてあんまりだ


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