゚。+空の向こうに消えた+。゚
あたしと拓人が廊下に取り残された

しばらく無言が続くといきなり拓人は変なことを言った


「…島野、変じゃね?」

「え??何が??」

「だからさっき転びそうになってたじゃん?」

「うん……」

階段でつっかかって転びそうになったことなんてよくあるのに、こんなことを言う拓人を不思議に思った


「島野さっき……階段の前の何もないところでつっかかってたんだぜ?なんか変じゃね?」

(何もないところ・・・・・・?)

またしてもよくあることだと思って特に気もしなくて

「別に変じゃない気もするけど……?」

こう答えた


「じゃぁ…俺の考えすぎか。ごめん、変なこと言って。」

「ううん……」





あたしは気付いていなかった


あのとき奈々は苦しんでいたのに…………


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