━ Are You Happy ? ━
第二章【歪んだ羞恥心】




その時期女子たちは皆

浮足立っていた





街を歩くと

─ St. Valentine's Day ─

の文字が踊り


甘い香りが漂う空気








波に呑まれた ってゆーか


どっちかってと


ひとつくらいあげてもいーかな


そんな感じで何故か


私の手には

種類の違うチョコがふたつ





高級で上品な感じのと

おっぱい形のふざけたやつと







ふたつの小さな紙袋を通学鞄の中に入れて

学校に行った










美術室





放課後








誰もいない





先輩もいない





翔は…





『おーい…』


キャンバスの裏や


石膏像の隙間とかを覗いて








発見





白い布きれをシーツみたいに纏って

スヤスヤ寝てんの








顔はね


綺麗だよ





チャラいけど


実際、モテるみたいだし





翔の寝顔の前にしゃがんで


マジマジ観察してやった








肌、キレー…

ほっぺたと唇、ぷくぷくじゃん…


『ふふっ…』









『…派手なパンツ…(笑)』

『ぬわっ!!』





『何色ってゆーのソレ(笑)』






私…

結構長い間

観察しちゃってたよ…





まぁ…“アンナコト”してるの

見られたってのもあって…





『ターコイズ…ブルー…』


下着見られるのなんて

ちっとも恥ずかしくない





歪んだ羞恥心


< 14 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop