━ Are You Happy ？ ━
■ぎこちないふたり
『来ると思ってた』
『居ると思ってた』
伸びをしながら起き上がった翔の横に座る
『はい』
『ん？』
私に掌を見せて
“ちょうだい”のポーズ
だからその上に
自分の手を置いて
『“お手”じゃねーよ』
って振り払われる ってゆう
一連の ボケ と ツッコミ の後
安っぽい方の紙袋を翔にあげた
すぐに包みを開けて
『…お前…頭わりぃなぁ(笑)』
ってしばらく爆笑
『翔っぽいじゃん？』
『似合う？』
って
自分の胸にチョコを当ててまた爆笑
次はそれを私の胸に翳して
『…お前こんなピンクじゃねーな』
だから
頭を叩いて
『ピンクだわっ』
ってツッコんだ
手の熱で溶けたチョコを
トレイの上に返して
指についたチョコを舐める翔が
子供みたいで…
大人みたいで…
トレイに返したチョコを目の位置に上げて
角度を変えて見入る翔は徐に
その先端に
尖らせた舌を当てる
私に見せ付けるように
舌で先端を弄びながら
上目遣う翔
こんなふうに
先生のコト舐めるんだ…
って…
クラクラ…
した……
『なんか言えよっ!!
さすがにガン見されるとはずいわ…』
もっと……見せてよ…
そんな気分だったけど…
『ヘタクソ』
ってごまかした
『バーカ 俺、スゲーからぁ』
“右” を口に放り込み
“左” を私の口もとに運ぶ
『あんめーな…』
『…チョコ…だからね…』
ちょっとだけ
ぎこちないふたり
