━ Are You Happy ? ━
■同じような恋
『“最初は”…だぞ』
それは
今は違う
とでも言いたかったのか
それとも…
未だ変わらない立ち位置を
そう思い込むことにしてるのか
どちらにしても
翔が私のこと
なんでも分かるのは
私と同じだから…
おんなじような恋をしてたからだ
一足お先に
私はフられちゃったケドさ…
翔がフられたら
私が慰めてあげよ
なんて
軽い気持ちで思ってた
『いっこ聞いてイイ?』
『なに?』
『なんで渡さなかったの?
チョコ』
ゲーム画面を映し出すテレビから目を逸らさず
興味あるんだか
ないんだか
『いらないんだって』
『なんだそれ』
『あー…そんな言い方じゃなかったな…
“受け取れない”だっけな』
『ひでーな…』
『彼女できたんだって』
『え?』
『ん?…彼女?
できたんだって』
テレビの画面の動きが止まったから
仕方なく翔を見ると
翔は
きょとん とした顔で私のこと見てた
『なに…?』
『…いや…』
『なによ…』
『いや…なんでもねーって…』
明らかに何かある顔
そんくらいは分かるよ
もう
私と翔は
キス
するくらいの仲でしょ