━ Are You Happy ? ━

□スキナヒト


面がよくて

そこそこ人気ある男に連れられる優越感


それだけで充分


その日はね。





リュウの部屋には

たくさんのレコードと

たくさんのチョコレートがあって


翔からもらった紙袋のチョコたちを

そのまま部屋に置き忘れたことを思い出した





『なんで私なの』


女は


この部屋のレコードより

チョコレートより


たくさん居た


リュウに抱かれたい

と願う女を


手早く抱けばいいのに








『死んだ目ぇした女としかヤんないって決めてんの』





私の名前を聞くより先に


侵入したリュウの舌を受け入れる





矛盾してる?


そんなコトないよ





いつも最初は “愛” なんて求めてないから





リュウとは


結局


先輩と同じで


.


.


3度目のベッドで私は


リュウの“虜” になってることに気付いた


.


季節が変わろうとしてる


4月


.


3年になったら同じクラスに


翔がいた。








『同じクラスとか(笑)』





先輩にフられた日

一緒に眠った日から会ってなかったから


超久しぶりだったけど


翔 は 変わらず


翔 だった


私は…


変わったかもしれないな…





『もう部活出ねーの?』


『だって…』


『あぁ…つーか…』



翔は私の机にお尻を半分乗せて

自分のした質問に

後悔してるみたいだった





『昼メシ一緒に食おうぜ』





ごまかしてるけど


自ら

まだ先生と続いてる って墓穴


『いーけど、おごってね』


気付かないフリしてあげるよ




好きな人 が


できた記念にね



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