━ Are You Happy ? ━
□滴る血
翔は
解いた私のローブの紐を結び直し
テーブルの上に置いてあった
ガラスの灰皿を持ってバスルームに入った
故意に割られたようなガラスの音が響き
慌ててバスルームに入った
『…何して…の…』
翔は
ガラスの破片を握り
自分の腕に傷を付けてた
『お前が感じた痛みって
どんなモンなんかな…って』
『…やめて…
死んじゃうよ…』
『そんな簡単に死なねぇよ
お前だって生きてんじゃん』
『そうだけど…』
私の傷より
深く入った傷からは
点々と血が落ちて
翔が死んじゃう気がして怖かった
『ほんとに死にたかったら
“ココ” か “ココ” だろ』
首筋にガラスの破片を這わせた後
べ っと出した舌に
破片を当てた
『…やめて』
その手を強く掴む
『俺…
この1年…何やってたんだろな』
『翔…』
『おもちゃだぜ
おもちゃ…先生の…』
『違うよ…』
『違くねぇんだよ』
翔を慰めたくて
かけてあげる言葉を必死に探した
意識はそれに集中し
腕を掴む力が緩んだ隙に
翔の舌からは
血が滴った