―Silver―





そしてゆっくりと目を開けるとまばゆい光が黒いカーテンから射していて眩しかった。

モノトーンでなんだかシックな感じがする部屋は私のまったく知らないところ

そのはずなのに部屋の匂い…いや、ベッドの匂いが懐かしくて愛しい香りがした。



―…昨日のことはただの夢か妄想だったのかな。


ここがどこかもわからないくせにそんなことを考えて、ただボケーっとしていると

真っ白なドアがゆっくりゆっくりと開いた。

そこには昨日とは格好が違う龍希がこちらを覗いて



「あ、やっと起きた。昨日ライブ来てた子だよね?なんであんなに雨降ってんのに帰んないのー?君、俺が声かけたときにはもうずぶ濡れでいきなり倒れたんだよ!?」



目を真ん丸くして私に喋りかけているのは間違い無く龍希だった。



私はもはやなにがなんだかわからなくて理解不能になり、目が点になってアホみたいな顔になっているのは私自身にもわかった。

ただポカーンと口を開けてるだけの私に



「…話聞いてないようだな(笑)んーとまず、こっちおいで。」


いきなり腕を捕まれてベッドから降りると今気づいたことがあった。

―これ誰のスウェットなの?



そう思ってるとリビングへ到着。

ここどうぞとソファーを叩くところへと私はちょこんと座った。






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