―Silver―
「わ、私…龍希たちのバンドを出待ちしてまして…」
「うんうん。」
「雨が降ってても気にならなかったんですよ…」
「それから?」
「えっと…それから2、3時間経ってしまっていたらしくて」
「なるほどねぇ。」
「多分ですけど…あの、そのっ…り、龍希が傘に私を入れてくれて振り向いた瞬間…」
「そう、君倒れたの。」
「ああ…やっぱりですか…」
「んで運んできた訳。」
「はぁ」
「俺ん家にね(笑)」
…はい?
「ぇええええええ!!!!??」
私がびっくりすると
「だって俺ん家一番あそこから近いし、君に話しかけても倒れてるしほっとけるわけないし…やっとわかりました?(笑)」
私はびっくりしたが全てが理解出来た。ただ一つ些細だけど気になること…
「あのー…」
「ん?」
「これ龍希のスウェットっぽい匂いがするんですが…」
「うん。俺のだよ?」
「っ…!!!」
照れてしまう私。
「そ、それはありがとうございますこんなに迷惑かけてすみません!本当にごめんなさい…今すぐ出ていきます…」
名残惜しいけどこんなに迷惑かけて今まで理解出来てなかったなんて最低だ私。
馬鹿。
でも、ありがとう神様
大切な思い出が出来ちゃったよ。