―Silver―
「じゃ、じゃあ…バンドのホームページに書かれてる22歳って?」
「うっそっぴょーん☆(笑)俺は歌うためにバンドのために地元の高校やめてここに来た。まだ自分を誰一人知らない町から始めようって思ってさ。あ、年齢詐欺は秘密ね?」
秘密…なんだかいい気分。
特別な存在になれたような気がした。
気だけど、それは幸せに近い感覚がした。
今起きてる現象
龍希が私の目の前にいる。
どんなに伸ばしても叫んでも
届くことが無かった人。
私は世界一貴方を愛しています。…
「そういえば!!!君、名前は?紙に書いて。」
龍希は紙とボールペンを差し出す。
私…私の名前は
「めめ…永瀬 愛芽(ナガセ メメ)です。」
「愛芽ね!ありがとう。俺はご存知だろうけど龍希!えっと本名はね黒星 龍希(コクセイ リュウキ)本名使ってるから(笑)名字はくれぐれも言わないようにね?愛芽。」
呼びすてにされるたびに
びくんっと心臓が波打つ。
あ…
プツンと何かが切れる音がした。
と同時に涙が溢れだした。
悲しいんじゃない
辛いんじゃない
ただ純粋に…
―嬉しい。