ビューティー☆ヘヴン
「Sって…」
「ほら、あそこ。」
ルナが指差したのは、Aクラス表から3メートルほど先にあるひときわ目立つ掲示板。
「え?」
あたしは急いでその掲示板に駆け寄った。
「うそ…。」
そこにはまぎれもない、
“特別推薦”とSクラスの文字。
それから、自分の名前を含めてたった6人しか記名されていないクラス表があった。
「なにこれ…6人!?」
「なにいまさら驚いてんのよ、普通じゃない。」
後ろからルナが当たり前というように言ってきた。
「普通って…6人だよ!?」
「毎年6人じゃない…
ってまさか、桜、ちゃんとパンフ呼んだ?」
「え、呼んだよ?」
「特別推薦に関するパンフだよ?」
「うん、特推は学費全額免除でしょ?」
「それ以外よ。」
「へ?」
「…やっぱり。
いい桜、特推にはね、“条件”があるのよ。」