気になるアイツ
スゥーと息を大きく吸い込んだ。
「おまわりさーん!こっちです。なんかカツアゲされてます」
『オ、オイ、ヤベェよ』
『チッ、さっさとずらかるぞ』
あわてふためきながら、集団は立花くんを残し去っていった。
不良が見えなくなるまで、ただ呆然と立ち尽くしていた立花くんのそばに駆け寄った。
「立花くん、大丈夫?」
そう声をかけたら、
「……え?……結城、さん?」
びっくりしたような顔を私に向けた。