忠犬彼氏。
「先に言ったのは……稟汰じゃん」
うん、私の存在完全空気。
それでいいから巻き込むなよ!?
「ああ、そうだけど……」
「なんでよっ……」
おいおい修羅場かよ……。
まじ勘弁って。
あれだろ?
相手の元カノが嫉妬して彼女に嫌がらせするパターン。
だがしかし!
私は彼女じゃない!!
だから、そんなににらまないで下さい……。
「まぁ確かに、璃子先輩綺麗だし、スタイルいいしさ、連れて歩けたら自慢できるよねー」
「俺は先輩を外見で彼女にしたいわけじゃないよ」
あの、だからさ……うん、そういう風に言われるのは嫌じゃないよ?
でもそんな風に言うと嫌がらせパターン来るから止めてくれ。
「嘘だね!」
な、何を根拠に!?
「こーんな女王様、外見以外で連れて歩きたい理由あるわけないでしょ!?
我が儘らしいし、今だって稟汰のこと犬って言っていいように使ってるじゃん!」
そこまで言われるとプッツンしちゃうぞ?