忠犬彼氏。
今璃子先輩っつった?
何下の名前で呼んでくれちゃってんの?
って今はそんなことどうでもいい。
奴らが揉めてる原因私ですか?
困るんですけど?
はっきり言って迷惑だしさぁ。
悪口とかもマジ勘弁。
しっかしここで黙ってるのは腹の虫がおさまんねぇ。
ちったぁ痛い目みりゃいいんだバーカ。
「君ら趣味悪いよ?」
「あ?……って」
「やっべぇ!どうすんだよ卓郎!」
「し、知るかよ」
「悪いけどコッチからもアンタらみたいなクズ野郎ごめんこうむるね!」
ヒラリと窓から校舎裏に着地。
「私の悪口は好きに言えばいいさ。
だけど……ソイツは私の犬なの。
勝手に苛めないでくれるかなぁ?」
こうしてまた新たに青田 璃子の噂が広がっていくことに私はまだ気がついていない。
いや、もしかしたら一生気がつかないかも。