忠犬彼氏。


それでかまわない。

気づけば私は私服のまま寝ていた。
時刻は6時。

よし、今からならシャワー浴びても間に合うな。

急いでシャワーを浴びて制服に着替える。
朝ご飯を済ませ、カバンを手に外へ出る。


「おっはようございまーす」

上機嫌な柴犬がそこにいた。

「……アンタは何で朝からいつもいつもテンション高いんだよ」

「俺の元気の源は璃子先輩ですからねー」

よくまぁ思春期真っ盛りな高一男子がそんなこと言えるなー。

「あっそ」

「今日も冷たいですね」

あからさまに、しょぼーんとしょげる柴にため息をもらす。

全く手の掛かる犬だこと!

「ほら早く来なさいよ」

遅刻したくないんだけど?
と、付け足せば柴の顔はみるみるうちに笑顔に変わっていく。

え?はめられた?

「やっぱり先輩は優しいですっ」

「どさくさに紛れて抱きつこうとするな!!」

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