忠犬彼氏。
「あいよ」
よっこらせっとか言いながら立ち上がった華音。
うん、そんな君はもう充分立派なお婆ちゃんだよ、おめでとう。
「あーもうなんで自分の鞄に座らないの!?私のスクバがぺちゃんこじゃんかー!!」
流石華音。
やっぱり私より華音のほうが女王様向きだと思うよ。
「ぺちゃんこになるくらい中身スカスカとか考えた方がいいよ」
「華音たーーん!!」
確かに。
美那都のカバンの中にはいつもお弁当と筆箱と財布くらいしか入ってない。
「まぁ華音先輩たちがいても二人きりみたいなもんですなけどねー」
おいこの野郎。
まぁ、はどこから出てきたんだよ。
しかも私完全に柴のこと忘れてた。
たった数十秒のやりとりだったのに。
インパクトが強すぎたんだな。
「ですよねっ、璃子先輩!」
「そんな嬉しそうな顔で同意を求めんな。
だれが同意するかバカ」