忠犬彼氏。


「璃子にゃーん早くー置いてっちゃうよー!?」

おいおいさっきまで言い合い、あ、違う、いじられてた人の台詞かよ。


「同意なんて最初から期待してませんよ?
俺が欲しいのはいつだって先輩のコ・コ・ロなんですから」

「……」

「スルーしないでくださいよー。
今のかなり恥ずかしいじゃないですか」

自覚してんのかよ。
鳥肌たったんだからな!?
ゾワゾワと今までに無いくらいに!!


「いちゃつかなーい」

ぬっと現れた華音に驚いて二人して文字通り体が跳ね、目を見開く。

人間本当に驚いたときって声でないんだね。
まだ心臓バクバク言ってるよ。

「か、かかか華音アンタいつのまにっ」

「う、うらやましいんですか」

柴、あんたが言ってることは何か少しずれてる!
だがしかしそのズレ方はニアピン賞にもならないけどね!

「だれがうらやましいって?」

「それは華音せんぱ……」

「そんなことを言うのはこの口か?」

女王様と言うより魔王?

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