忠犬彼氏。
「柴!行くよ」
「え、あの……璃子先輩!?」
柴……でいいや。の手首を掴み、引っ張る。
こんな所に長居は無用!!
まずこんな奴らと同じ場所に居たくないし。
「先輩……どうかしました?」
「バカじゃないの」
「は?」
「あんな風に先輩に囲まれて、しかも口答えまでして……ボコられてもおかしくないんだから!」
私なんか、いいのに。
本当にバカな奴。
「もうあんな事になっても私庇ったりしないで」
私を庇ったってろくなこと、無いんだ。
庇っちゃいけない……違う、庇われちゃいけないんだから。
「それは……自分のせいで他人が傷つくのが嫌だからですか?」
何で……何で……っ。
「……っ、んで、わかっちゃうの……!」
「ご主人様の些細な変化にも気づく、
躾の良い犬ですから」
本当に……コイツってバカ。