忠犬彼氏。


潤んだ瞳で上目遣いとかどこの美少女ですかアンタは。

「あーそう、とにかく学校行くよー」

「璃子先輩が冷たい……」

「はいはい」

でもさ自分で言うのもなんだけど……出会った当初よりは丸くなってる気がする。

だって柴とちゃんと会話してる。

「ちょっと、璃子たち早く!」

さっきまで騒いでたのは誰だよ。

「だって、ほら早くしてよ」

「むー」

「膨れたって可愛くないから」

本当は可愛い。
女の子顔負けなくらい。

と、いうわけで

「私女やめてくる」

タッと柴の隣から走り去り、あっという間に華音たちの元へ。

「え!?ちょっ璃子先輩!」


「どうした璃子」

「私女やめようと思って」

「璃子にゃん気は確かか」

気は確かだ。
気が確かだからこそ女をやめるんだ。

こんな男に負けてるようじゃ女として色々アウトじゃん?

「璃子……」

「何?」


「アンタもしかして柴君のこと男として見てんじゃないの?」

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