忠犬彼氏。
私が柴を男として見てる?
男?男……男…………。
「男ォォォ!?」
「うん、そうだね」
「あら華音たんハズレ?」
「いんやあながち間違ってないかもよ」
「どういうこと?」
男!?柴が!?この犬が!?
いやいやいやいや……。
「拒絶、しきれない?」
「柴は男じゃなくて男の子だろ!」
「……璃子アンタって」
「な、何さ!」
「鈍感」
『璃子は相変わらず鈍感だなぁ』
「……そ」
鈍感、か。
否定はしないでおく。
でもさ一つ弁解。
気が付かないんじゃない。
気づきたくないから、誤魔化してる。それだけ。
口には出さないけど……。
「あ、じゃあ柴にゃんまた後でね」
「はいっ!」
ああ、もう学校だ。
全然気が付かなかった……。
「璃子?どうしたぼーっとなんてして」
「あ、いや……ただ眠いなって」
「そう?ならいいんだけど」