忠犬彼氏。


「先輩の事、いつも見てました」

「は?いきなり何言って……」

「噂だって、嘘なんでしょう?
知ってますよ、それくらい。
気づいてんのか何て知りませんけど、
冷たくあしらうのは全部、わざとでしょう?」

何で、コイツみたいな奴に、全部全部見透かされなきゃいけない訳?


「な、何言ってんの!バカみた……」

「ほら、また」

何それ……まるで私の事何でも知ってるみたいに言う。
生意気、生意気……。

なのに、どうしてこんなに……

嬉しいんだろうか。


「仕方ない、そんなに言うなら私の“犬”にしてやる!」

「ははっ、畏まりました、ご主人様!」

な、何て可愛い顔で笑うんだよ!
年上キラーか!!


「ご主人様、ボクは大変嫉妬深い犬ですよ?」

「知るかそんなこと」

しかもボクって何だボクって。

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