忠犬彼氏。
「どうせ柴から離れろとかこの学校から消えろ、あたりでしょう」
ベタすぎ。
ベタすぎて笑えない。
「柴から離れるも何も私はあいつが鬱陶しい」
「なら消えてくれます?言ったでしょう?邪魔だって」
こっちだってそう易々とこの学校から身を引けるかっつの。
「ガキがでしゃばんじゃねーよ」
「たかだか一年の差じゃないですか」
バレたくない。
何も知らない、そんな人たちの心地よさ無くしたくない。
影で女王様だとか暴君だとか囁かれたって、私の過去を知らなければそれだけで構わなかった。
「私の日常を壊すな」
「先輩が消えればいいだけの話し」
「埒があかない。」
「私は譲りません」
「私も譲らない」
このままじゃ平行線のままだ。
どうしたらいい?
「ところで先輩、覚えてますか?」
「そんなことアンタが聞いて何になる」
きっと私の過去を聞いたら皆が軽蔑する。
汚い。近寄るな。
そう言う。