忠犬彼氏。
「私、ハッキングしたんですよ?
アナタのトラウマに伝えることもできますが」
「やめて!!」
私の甲高い声が響いた。
やばい、つい熱くなっちゃった。
「ねぇ先輩、どうします?」
「何で……」
何でこんなことになってんだろう。
ついこの間までいつも通りだった。
いつもみたいに告白されて
珍しく私に何度もアタックしてきて
それが今度は当たり前になった。
「何で私がこんな風に悩まなくちゃいけないわけ!?
私は何もしてない、柴が勝手につきまとってるだけ。
私に何かするとか間違ってる」
私が何をしたって言う?
私は何もしてない。
なのに何で私ばっかりこんなことになる?
僻みだとか理不尽ないじめだとか今まで無かった訳じゃない。
でも大抵は私の無関心さに呆れて手を引いていく。
でも今度は状況が状況だ。