忠犬彼氏。
「そ、れは本当ですか」
柴は目を見開いてしばらくした後、そう口を開いた。
「当たり前」
「です、よね……」
まぁショックだろう。
だって紗耶ちゃんは柴の幼なじみな訳だし、仕方ないっちゃ仕方ない。
「紗耶香のことは俺がなんとかします」
「俺だってなんとかするさ。」
「でも樋山先輩……」
「紗耶香は俺の妹、だぜ?」
なんだかかっこよくキメてるところ悪いけど……。
「なんとかは私がする」
もし万が一あいつらがなんとかしてるうちに、私の弱味をバラされたら、たまったもんじゃない。
「そんなことさせられるかよ!」
「させてよ!」
是非察してくれよ!
「守るだとかそんな名目で言ってんだったらなお嫌だ」
「なんでですか」
「守るってさ、見下してる感じがして嫌なの。
“お前は自分より弱い”遠回しにそう言われてる感じがする。
だから嫌」
守るだとかろくなことがない。