忠犬彼氏。
「放っておけるわけないじゃないですか!」
その言葉は私の心を貫いた。
「アンタどうしたいわけ?」
「俺が先輩のトラウマ克服出来るように、手伝います!」
「アンタの人生、私に捧げるって言うの?」
いつ克服できるかなんてわからないのにそんな約束本当にする気?
「いいですよ」
なんで、コイツは……。
「長続きするわけない」
「ねえ先輩、なんでそんなに拒むんですか?」
「私はアンタには後悔してほしくないんだよ!!」
私は柴のように、人生を捧げた。
だけど結果がこれだよ!
人のために自分の人生を無駄にするなんてろくなことがないんだから。
私は早くそのことに気が付いてほしい。
「先輩はまるで自分のことのように言いますね。
あの、まさかですけど……そのトラウマと何か関係があるんですか?」
全てはトラウマへとリンクしていて
逃げ道はなかった。
どんなに助けを呼んでも、私の手を掴んでくれた人は、いなかった。