忠犬彼氏。
「璃子あんた本気で付き合うの?」
華音の言葉が重くのしかかる。
「中途半端に期待させるのはナシだからね」
「させないよ、期待なんて」
だってこれはただのゲーム。
私が柴に落ちなければいい。
「それならいいけどね」
華音はドスッとベッドに腰掛けた。
「璃子にゃん」
それまで口を挟まなかった美那都がポツリと私の名前を呼んだ。
「本当に柴にゃんがダメになった?」
「戻れるかなんて私にもわからない」
「璃子にゃんがこんなになったのはあの人のせい!?」
「ねぇ美那都……」
なんだか、美那都の様子がおかしい。
「どうした?」
誰かに、何か言われたんじゃない?
私について。
「璃子にゃんは、ただ少し不器用で、男子が嫌いで、本当はすっごく優しい……
私たちはそれを知ってるよ」
美那都……。
私、あんたをただのバカだとばかり思ってたけど……
ちゃんと考えてたんだ。色々とさ。