忠犬彼氏。


「何であんたが紗耶ちゃんの責任とって謝ってんのって」

「アイツは俺の妹だし……」

「血縁関係が何?
あの過ちは樋山紗耶香という一人の人間がしたにすぎない。
と、なればあんたには関係ない話し」

だからあんたが責任感じる必要ないんだって。


「璃子にゃんはさーツンデレだから!」

「または不器用、とも言うけど」

「またそれ!?」

つ、ツンデレかどうかはともかく……
確かに不器用、なのかも。


「ま、でもさ陰湿な嫌がらせよりはまし?」

話しすり替えやがった。

「別に嫌がらせなんてどうってことない」
別に嫌がらせされて辛いとか感じないし。
逆に私に嫌がらせしても多分無反応すぎてつまらないと思うんだよね。


「っつか樋山、あんたはいつまで頭下げてんの」

「俺の気が済むまで!」

普通そこは私の気が済むまでだろうが。


「噂も、多分平気」

これはクラスの皆に向かって言った。


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