忠犬彼氏。


「で、樋山」

「切り替え早っ」

「うるせぇよ」

「すみませんっしたー!!」

素直でよろしい。


「姐さん、えっと」

「樋山、お前もか」

「ブルータス、お前もか。みたいに言うなよ」

「無理」

「はい」

樋山は何故か正座をした。
ピキーンっていう効果音が似合いそうな絵面だ。

まじ滑稽。

「まじ非道」

「あん?」

「さーせん」

また樋山は固まった。


「紗耶香、最近誰かと連絡を取り合ってるみてーだけど」

「友達とかじゃなくて?」

「いや、それがなんか怪しいし、多分違う……ヤバい奴とかじゃないといいんだけどな……」

ごめん樋山、ヤバい奴かもしんない。
言わないけど。言ってやらないけど。


「でもなんでそんなことが知りたいんだ?」

「捻り潰すため」

その発言にクラス全体が凍りついた。
約二名を除いて全員が恐怖の色を見せ始めた。


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