忠犬彼氏。
そう、その発言で
青田璃子の噂
“女王様の趣味は首狩り”
と
“青田璃子、番長または総長説”
が、出回ることになるなんて思いもしなかった。
「ひ、捻り潰すって……」
青い顔で樋山は必死に聞き返してきた。
「あ、紗耶ちゃんのためだけじゃないから」
「いやそうじゃなくてな」
「じゃあ何」
私の眉間にシワがよりだした頃、華音と美那都が突撃してきた。
「言葉の文だってばー!」
「璃子はそんな野蛮じゃないし」
ナイスフォロー。
あ、私が言うのもあれか……。
「青田、心当たりがあるのか?」
「ないって言ったら嘘になる」
まだ定かじゃないから。
「なんだよそれ」
「嘘は言いたくない」
「そうか」
「うん」
嘘を言って、何になる。
「あとさ」
「何」
「稟汰のこと、よろしくな」
なんでコイツ知ってんだろう。
とか思ったけど怖いから聞くのはやめた。