忠犬彼氏。
「っていうか璃子先輩、柴って呼ばないでくださいよ」
「いいじゃん、いいじゃん」
愛称だよ愛称。
「良くないです!」
本当コイツその辺の女子より可愛いんだけど?
キー!羨ましい!!
「さぁ、禀汰って!」
「だってアンタ、柴何とかって名前でしょ?」
何故か柴は雷にでも打たれたかのような顔をしている。
え、何このアホ面。
「柴何とかじゃないです!名前すら覚えてないんですか!?」
ギクッ!
「お、覚えてるにききき、決まってんじゃーん!」
やべー冷や汗半端ない!
純情じゃねぇよこの量!
干からびそう。
「あ、あれだ、えっと……柴、柴」
柴までしか思い出せない!
「先ぱ……」
「ちょっと待って今頑張って思い出してっから!」
柴……柴…………あれ?
「思い出すって、やっぱり忘れてんじゃないですかぁ!」
うおっ、今心に何か刺さった。