忠犬彼氏。
「紗耶ちゃん、長期間好きで、大好きでその人のために尽くしたり、努力したりすることを私は悪いとは言わない。
でも、ダメなモノは、所詮最後虚しくなるだけ」
あれだけ頑張っても、手に入れることはできなかった。
私は、暇つぶしのおもちゃの一つでしかなかった。
可愛くなければ、捨てられる。
だから私は頑張った。
「最後に残ったのは、空虚感だけだった」
だから紗耶ちゃん、私のように後悔してほしくない。
「璃子先輩は間違っていますよ」
涙は一体どこへ行ったのやら、紗耶ちゃんはしっかりとした顔つきで私を見ていた。
「稟汰はそんな人と違います
稟汰をずっと好きでいる時間は無駄なんかじゃないんです」
ただ、私の愛した人が間違っていただけだ、と。
「後悔なんて、しませんよ」
「確かに稟汰は紗耶ちゃんをおもちゃになんかしたりしない。
変に期待させるようなことはしない。」
でも、私が掴んだ虚無は、深く私の心に根付いてしまった。