忠犬彼氏。
┣空白の日々
あれから一週間と3日。私は姿を消した。
そして一週間と三日後。
「おはよう」
私が華音と美那都にいつも通りの挨拶をした。
美那都はあからさまにびっくりしたような顔をしていたけれと、華音は全てお見通し、と云うような眼差しで私を見ていた。
「おはよう!」
私はもう一度、さっきより少しハッキリ目に挨拶をした。
「あ、あ、おはよー」
「璃子」
戸惑って挨拶を返した美那都だけれど、華音は怒ったように私を呼んだ。
「何?」
「何があった」
きっと、私がいなかった数日間、華音はずっと私を問いつめたかったはず。
「柴君、死ぬほど心配してた。あんたの帰りを待ってた」
柴君、その名前だけで私の身体は反応する。
「でも、あいつには消えること、言ったし……」
「馬鹿だね!!」
華音は珍しく声を荒げた。
本当に、華音なのかと疑うほど、華音は怒っていた。