忠犬彼氏。
「それが余計心配にさせたんだよ!」
「そんなのわかんないよ!!」
そんなの言われたって、私には理解できない。
「か、華音たんも璃子にゃんも落ち着いてよ!」
美那都が今にも泣き出しそうな瞳で私たちに訴えかけた。
「美那都……」
「ごめん、取り乱した」
華音は頭冷やしたいから先に行く、と告げてさっさと行ってしまった。
「璃子にゃん、華音たんね、アレで実は誰よりも璃子にゃんのこと心配してたんだよ?」
だからわかってあげて?、そう言うようにぽつりと呟いた。
「わかってるよ」
私がそう言うと、美那都は嬉しそうに笑った。
「何か、ごめんね」
「ううん。いいの!」
ちゃんと華音にも謝らなくちゃ、それから稟汰にも…………。
私と美那都はゆっくりと歩き出した。