忠犬彼氏。


「ってか柴はそろそろ戻った方がいいんじゃない?」

「あー……はい」

ん?
何だ何だ?今の間は……。

何だか微妙に気になる。
いや、まぁ微妙だからそんな気にする程じゃないんだけど……
好奇心とかなんかそういうのがムラっと……間違えた、モヤ?

まぁそんなことはどうでもいいや。


「それじゃあ先輩、また放課後来ますね!!」

「来んでええわ!」

はっ!勢いのあまり、大阪弁になってしまった……!


「と、言うわけで」

「どういうわけよ」

華音がすかさずツッコんでくるが、とりあえず無視。

「樋山、おまえ帰れ」

「冷たっ!流石、絶対零度!」


だから私は……。

アイム ノット コールドォォォ!!!

私は雪女か!
違うわボケッ!!


「兎に角帰れ」

私はそう言うと、樋山にカバンを押し付けた。

「あれ?まさか帰れって、自分の席にとかじゃなくて、自宅にってことだった!?」

「イエス!」

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