忠犬彼氏。


「まぁそんな意味なので俺、違いますね」

尻尾を振るな尻尾を。

「迷惑、かかってんだよ」

「先輩はツンデレですからねぇ」

「殺されたい?」

いつか脳天に槍かなんかぶっさすぞ、この野郎。

「いやぁ先輩物騒ですよー!」

「そういう発言させてんのはお前だよ」

っつか何でコイツついてきてんの?
まぁ、いい。途中までの辛抱だ。
我慢しよう。


「柴」

「はい?」

「一度は受け入れた私にも非がある。
でもさ、やっぱ無理だ」


私には無理だ。
変われるかもしれない。
実は密かにそんなことを思ってた。

バカな奴。

バカはさ、柴じゃない、私なんだよ。


「先輩……俺は、先輩がどんなに突き放そうと、待ち続けます」

柴…………。

「雨に打たれ、風に吹かれ、雪に埋もれても待ち続けますから!!」

「誰が忠犬柴公の話してんだよ」

そういう話してんじゃないから。

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