忠犬彼氏。


「柴」

「はい?」

「近い」

「あ、はい!」

バッと勢いよく離れた。

こういうところは忠犬なんだ……。

「主従関係か」

「璃子にゃんが主人?ギャハハハハ」

こいつはもう放っておこう。
相手にする時間も勿体無いし。


「璃子にゃんの私の扱いが酷い」

「それは俺も同じですよ」

「柴にゃん!!」


もういい、無きものとして考えよう。
そうだ、スルースキルを磨き上げればいいんだよ。

この中で一番高そうなのは華音か……。

「何よ」

「あ、いや別に」


おまけに勘がいいから見てるとすぐバレるんだよなぁ。


「んじゃ」

「え!?何でですか璃子先輩!!」

「だって二年と一年の下駄箱違うじゃん」

「え、は、はい」

そう、もういつの間にか学校に着いていたのだ。
早くね?のツッコミは無しの方向でお願いしますね(こら)

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