忠犬彼氏。


「さ、もう教室着いたし、華音たんもそんな顔しなぁい」

華音は……
華音にゃんだと言いづらい、華にゃんはどうか
いや、やめろよ
んじゃあ華音たんにするよ

で、にゃんから逃れたのであった。


それぞれ既に教室に来ていたクラスメートと挨拶を交わしながら席に着いた。


「りーこせーんぱいっ!」

「うわあぁぁぁ!!」

何これデジャヴ!?
つい昨日体験した気がするんだけど!?

そして、何このストーカー。

「来るの早すぎだろ!怖いんだけど」

「速攻って言ったじゃないですか」

こういうとこは忠犬なんだ。
ま、私が命令した訳じゃないけどさ。

いや、むしろ来るなって命令したい。切実に思うんだけど。


「璃子先輩」

「何」

「だ、抱きつきたいです」

「うん、そこの窓から飛び降りて」

※ちなみにここは三階です。

「先輩の命令なら本望です!!」

「こんなとこだけ忠犬かよ!!」

怖いわっ!!

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