忠犬彼氏。
「お世辞言ったって何も出ないからな?
出るのは手だけだからな?グーだよ?」
「お世辞なんかじゃないですって!」
「皆そう言うんだよ」
お世辞です。
なんて言うバカ何処にいる。
いたら是非見てみたい。
「柴君、この子には何を言っても無駄。
自覚症状がないから。
下手にほめると殴られるだけだから」
「なんだか面倒臭いですね」
自覚症状?病気かなんか?
っつか柴が一番面倒臭いから!
まさに面倒臭いの鑑(かがみ)だから。
「いひゃいれすへんぱい」
気づけば私は柴の頬を引っ張っていた。
っつか何このスベスベさ。
モチモチだし、ニキビとかないし……
白いし、まじ綺麗なんだけど。
「柴って本当女の敵」
「へ!?」
解放された柴はほっぺを暫くさすっていた。
「自信なくすからニキビだらけになるか肌荒れしてきて」
「何ですかそれ!」
「主人命令!(キッパリ)」