忠犬彼氏。


「してやったりってのもムカつくよねぇ」

なんだコレ。遠慮の欠片もありゃしない。
親しき仲にも礼儀ありだぞこの野ろ……いやいや美那都は女だ、野郎じゃない。


「雨月うるさい」

「うげっ」

ざまぁみろ。

「うわぁ璃子にゃん思ってること丸わかりだよ」

「あーまーつーきー?」

「さーせん」

美那都は前を向いた。

何故美那都は読まされないんだ。



授業終了のチャイムがなったのはそれから約三十分後の話である。

「あんたたち本当にバカだね」

「たちって何たちって」

美那都は確かにバカだけど何で私まで同類判定されなきゃいけないの。


「先輩!」

「ほんでお前は一々来るなよ」

授業と授業の合間の休憩時間は十分。
一年の教室との距離はまぁまぁ
でも十分休みに来るとかかなりハード。


「同じ学年ならともかくとして、
学年違うのにわざわざ来なくていい!」

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