忠犬彼氏。


二時間目も終わり、おそるおそる携帯を開く。

「ひぃ!」

新着メール 12件の文字。
嘘だー。

とりあえず確認。
全部柴からだ……。

《先輩返信してくださいよー》

絶対やだ

《暇で死にそうです》

そのまま死ね。

《会いたいです》

もういいや、見る気萎えた。

あ、れ……?
これ…………。

《先輩のこと好きすぎてヤバいです。
どうしたら応えてもらえますか?》


柴、あんたってバカ。
私が応えられないことくらい、気づいてんでしょ?

そんなに頑張ったってさ、無駄なの……分かってんでしょ?

周りが健気だとか、一途だとか言ったところで
私の気持ちは、変わらない。
変えられない。

臆病な私が、それを拒むから。


それも返信をせず、またIn the ポケット。
そして私はまた次の授業を受けた。


どうしたら
なんてそんなの私が知りたい。

< 57 / 204 >

この作品をシェア

pagetop