忠犬彼氏。
「別に付き合うわけじゃないんだし」
「先輩……」
何で、そんな顔すんの?
泣きそうな顔でさ、同情でも買おうって言うの?
「泣くんなら関わんないで」
「泣きませんよ!俺だって一応男ですもん!」
「一応って、自分で言っちゃう?」
は?
何で今度は嬉しそうな顔してんの?
「先輩、笑った!笑いましたね!」
「感受性超豊か」
「へ?」
「別に」
私が少し笑ったくらいでそんなうれしそうなんてさ……。
「璃子が男子に笑いかける?の初めてじゃない?」
「そういうこと言うなよ!」
「璃子にゃん顔真っ赤ー、ギャハハハ」
「本当にお前黙れよ!」
そんなの言われたら柴が舞い上がるじゃん。
余計なこと言うなよ……!!
「って、てててか」
「うわ、わかりやすいくらい動揺してるし、ギャハハハ」
「お、お昼食べないと!」
そう言うと何故か華音と美那都は額をくっつけヒソヒソ話を始めた。