忠犬彼氏。


いったい何をコソコソと……。

「璃子」

「何」

「柴君と二人でお昼食べなよ」

「は!?」

二人!?何故!?

「いいじゃんいいじゃん」

「よくない、絶対嫌」

「華音たんもうちょっとオブラートに包もうよ。いくらなんでも今のは直球過ぎだよ」

遠回しに言おうが直球ド真ん中で言おうが変わらないし。


「私、柴となんかと二人は嫌」

「璃子にゃん!それはいくらなんでもいいすぎ!」

「罰として二人で食べてくること」

墓穴った!
柴となんかと、なんて言わなきゃよかった……!
せめて、男なんかと、にすべきだった!


しかしまぁ、ものの見事に私は教室の外に出されてしまった。
柴犬付きで。


「はぁ、この際仕方ない……」

「先輩、よかったら俺の教室で食べませんか?」

「女の子いるよね?」

「勿論ですよ」

仕方ない。
ここはもうそれで折れるしかない。

< 60 / 204 >

この作品をシェア

pagetop