忠犬彼氏。


「ここです!」

「うわぁ懐かしい」

「え、先輩このクラスだったんですか?」

「残念私は元一組だ」

っていうか視線!視線!!
痛いから!

上履きで、もろ二年ってバレバレだし……。


「柴、私やっぱ……」

聞く耳持たず。
柴は私の手を引き教室に入っていった。


「わ、羽柴お前っ……」

一人の男子生徒が私と柴を見て驚いていた。

「えー青田璃子先輩が男子といるー」
「ね、超意外!なんで稟汰なんかと?」
「璃子先輩やっぱ超美人、羨ましい」

聞こえてるからね。
ヒソヒソ話してるつもりだろうけど
かなり聞こえてるからね。

でも、私のこと知ってそうだし……

「ねえ」

「は、はははい!」

「よかったら一緒に食べよう?」

柴と二人より、この子たちをいれたほうがずっと楽しい。

私が声をかけた三人組は緊張した様子のままこちらに寄ってきた。

< 61 / 204 >

この作品をシェア

pagetop