忠犬彼氏。
「そんなの……」
いらない、でしょう?
それくらい知ってる。
「……アナタが思ってるより素晴らしいものなんかじゃないよ私」
「そんなことないですよ!」
「うるさいな!何にも知らないくせに……」
まただ。
また、変なこと、口走ってる。
「……よく知ればいいって、そう言ったのは先輩ですよ?
俺は知ろうとしてるのに先輩は一向にさらけだしてくれない」
だって……私のこと知ったらきっと軽蔑する。
「これ以上私たちの関係が深くなったら一緒にはいられない。
犬と飼い主、それくらいが丁度いい」
つかず離れず。
それが最善。
「せんぱ……」
「もし私がアンタを“男”として見るようになったら、私はアンタを拒絶する。
それこそ一緒にいられなくなる。
アンタは柴はそれでも構わないの?」
アンタがどれくらい私に本気なのか……。
少し、興味があるんだ。